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留袖にまつわる母と娘の愛情のこもった体験談をご紹介する留袖レンタル物語をご紹介いたします

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私の留袖レンタル物語

第45回|元夫が男手一つで育てた実の娘の結婚式に出席!?

会社員 黒田 恭子(仮名)さん【57歳 神奈川在住】

「お母さん、結婚式出てくれる?」

「お母さん、私結婚することになったの。結婚式出てくれる?」
 娘からの突然の電話でした。
 私は10年ほど前に、離婚しました。娘が中学3年の頃のことです。一番多感な時期に娘には本当に申し訳ないことをしたと思っております。
 性格の不一致でしょうか、かなり前から夫との間には隙間風が吹いておりましたが、元気だった私の母が突然亡くなり、病弱だった父の面倒を見にたびたび実家に戻って、家を空けることが多くなったことが引き金となりました。当時、経済力のない私は娘を引き取ることができませんでした。
 そんな私ですから、まさか、結婚式に呼んでもらえるなんて思ってもいませんでした。もちろん、娘の晴れ姿が見られるという嬉しさで胸がいっぱいになりました。
 しかし、また元の夫や、その親戚に顔を合わせることに思いが行くと、沈んだ気持ちになりました。
 そんな私の胸の内を察したかのように、娘は、
「お父さんは了承してくれているからね。だから、どうしても、お母さんに私の花嫁姿を見てもらいたいの」
 と、たたみかけてきました。
「ありがとう、ぜひ出席させてもらいます」
 自然に口をついて出ていました。
 2ヶ月後に迫った結婚式、さあ、何を着ていくかで悩みました。娘が15の時から、母親らしいことは何一つしてあげていません。それを考えると、母親の象徴でもある黒留袖を着るのは少々厚かましい気がしました。
 一招待客のようにふるまうべきではないか。それなら、フォーマルなワンピースの方がいいのでは。そう考えてワンピースを買いに行こうと、ほとんど決めていました。
 そんな私の気持ちを読みとったかのように、娘から、
「私からお母さんに留袖レンタルをプレゼントしたいから、受け取ってね。柄は私に選ばせてね。サイズだけ教えて。最近のお母さんを知らないから、サイズがわからない」と連絡がありました。
 娘の気持ちが本当に嬉しかったです。小さいころからよく気がつく優しい娘でした。母親がいないことで苦労もしたであろうに、幼い頃と変わらない優しさを持ち続けてくれていました。
「ありがとう」
 私は涙でそれ以上言葉になりませんでした。

娘を男手一つで育て上げてくれた元夫にも感謝

 結婚式の2日前に届いた黒留袖は、四季折々の花で彩られた華やかさの中にも品のある裾模様でした。私が、花が好きだったことを覚えてくれていたのだと思います。
 娘のおかげで、今一人暮らしの私が黒留袖に袖を通すことができます。当日、どんな顔で元夫に挨拶しようかと、なんとなく、浮かない気分でしたが、黒留袖に袖を通すうちに娘の幸せだけを祈ろうという強い気持ちが湧いてきました。
 当日の娘のきれいだったこと。事情を知らない出席者の方の中には席次票を見て、両親の苗字が違うこと、テーブルも違うことで事情を察した方もいたようです。
 でも、私にはもうそんなことはどうでもよくなりました。娘を産んだ時の感動、慣れない育児に必死にとりくんだこと、初めての授業参観、七五三、セーラー服姿、その後、成長していく時期に関わってあげることはできなかったけれども、いつも、心には娘がいたこと。そして、こんなに優しく、心配りのできる娘に男手一つで育て上げてくれた元夫にも、心の底から感謝の念が湧いてきました。
 お婿さんのご両親も優しそうで、スープの冷めない距離に新居を決めたとのことですから、これからはお姑さんに何でも聞いて、甘えられるのではないでしょうか。本当におめでとう。いっぱい、いっぱい、幸せになってね。陰ながらこれからもあなたのこと見守っていきます。
留袖レンタル物語の目次(全47回)