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留袖にまつわる母と娘の愛情のこもった体験談をご紹介する留袖レンタル物語をご紹介いたします

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私の留袖レンタル物語

第8回|トーストとポーク卵

高良 浩江(仮名)さん【48歳・主婦・沖縄県】

シングルの私を支えてくれた長男が結婚

 19歳の長男が結婚しました。 相手の娘さんには新しい命が宿っており、最近は「授かり婚」というらしいですが、やはり順序が違うだろう…と複雑な心境でした。 私自身が25歳で結婚して長女を出産ののち離婚、再婚して長男と次男を産んだ後、再び離婚していますので、結婚に関して、息子に偉そうなことを言えた義理ではないのですが、やっぱり先方の親御さんの心情を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
当の息子は平然としていて、「家と仕事も決めてきたから」と、新居への引っ越しもあっという間に済ませてしまいました。

 息子は小さい頃から利発で、ものを悟ったようなところのある子どもでした。4歳くらいからひとりで絵本を読んでいたり、コーヒーを淹れて飲んでいたりと、何だか大人びていました。 女手ひとつで3人の子どもを育てていましたので、子どもたちが小さい頃は、毎日がまさに戦場でした。 一日を乗り切るのに精一杯で、細かいことにはかまっていられませんでした。正直、記憶があいまいなことも多くて、参観日を間違えたり準備物を取り違えたりして、よく子どもたちに怒られていました。 なので、息子が幼い頃からそれほど手のかからない子だったことはとても助かりました。 泣いてわがままを言ったことはほとんどなかったように思います。

 中学に入学してからは、一日も欠かさず、朝食を準備してくれていました。 トーストとポーク卵が彼の定番。 子どもの頃から大好きで、私もよく作っていました。 ほとんど毎日同じメニューでも、用意してくれるだけありがたく、すっかり頼っていました。 そのうち「おいしいトーストの焼き方」などを研究し始め、あの子なりのこだわりもあったようです(苦笑)。

 高校生の時に足を怪我して部活動ができなくなって以来、目標を失くしたのかどこか虚ろで、ベランダでボーっとしていることが多かったように思います。
「大学に行く意味がわからない。高校を出たら働きたい」と言うのをなだめすかして大学受験をさせましたが、本人に意思がないのに通るはずもなく、私がやっとの思いで決めた予備校も、さっさと辞めてしまったときには、どんな声をかければいいのか、正直途方にくれました。 んなとき、アルバイトをしていたスーパーで、相手の娘さんと知り合ったそうです。
「今までわがまま言ったことなかっただろ。俺、自分の家族がほしいんだ」と言われ、反対する気持ちもなくなりました。

立派に育ったわが子を見ることほど誇らしいことはありません

 高校を卒業したての若さでは貯金など微々たるもので、新居を構えた残りは、生まれてくる子どものために使おうということで、ふたりは結婚式を挙げないと決めました。 女の子のご両親は花嫁衣装を見るのが夢だろうと思うと、いたたまれない気持ちになり、「せめてフォトウェディングをしてほしい」と申し出ました。 ふたりでチャペルや海を背景にするロケーションフォトというのを撮ったあと、先方のご家族と一緒に家族写真を撮りました。 私も先方のお母様も、スタジオで留袖をお借りして、着付けもしてもらいました。 まさかこんなに早く息子がする結婚とは思っていませんでしたので、気の回らないことも多くて、「あちらへ、こちらへ」という指示に従っているうち、気が付いたら終わっているという感じでした。

 それにしても留袖レンタルの衣装ってさすがですね。一式がとても整然と準備されていて、『さっと出して、さっと着せる』という、気持ちのいい手際でした。 柄も選べて、後片付けまでお任せできますしね。 写真だけでも、晴れ日の着物である留袖を着ることができてよかったと思います。

 頭はいいものの、どこか斜に構えているような印象だったあの子が、「結婚する」と決めてからは、人が変わったようにしっかりして見えます。
「彼女と子どもを養わないと」という想いが、きっとあの子を奮い立たせているのでしょう。 結婚生活も子育ても、思い通りにいかないことの連続なので、ぶつかりあって疲れる日もあると思います。 それでもいつの日か、やっぱり親でよかったと思える瞬間がくるので、それを信じて頑張ってほしいと思います。 立派に育ったわが子を見るほど、誇らしいことはないのですから。 あの子が引っ越し荷物を持って家を出る時、玄関で靴を履きながら背中越しに「母さん、俺がいなくてもちゃんと朝飯食えよ」と言った時のように。

留袖レンタル物語の目次(全47回)