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留袖にまつわる母と娘の愛情のこもった体験談をご紹介する留袖レンタル物語をご紹介いたします

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私の留袖レンタル物語

第29回|自分のことよりも嬉しい相手

森川千春(仮名)【41歳 奈良県】

妹のような、娘のようないとこが、いよいよ結婚!

 このたび、いとこが結婚することになりました。いとこといっても、ごく近所に住んでお互いの家を頻繁に行き来しており、年が11歳も離れていますので、なんとなく妹と娘の間くらいの気持ちで接してきた間柄です。
 叔母さんは女手ひとつでいとこを育ててきましたので、いとこは昔からよくうちに預けられていました。
 私は彼女が大好きで、年齢差をものともせず、たくさん一緒に遊びました。いとこと遊ぶ中で、小さい子どもが成長する姿をみるのはいいな……と思い、保育士になったほどです。接していた時間からいうと、叔母さんよりも私のほうが、いとこのお母さんなのではないかと思うこともあるほどです。

 大人になってからは、お互いに忙しくなったことや私が結婚して実家から少し離れたところに住んだせいもあり、昔ほど頻繁に行き来することはなくなっていましたが、彼女から「久しぶりに会いたい」と連絡があったのは、式の半年ほど前でした。

 夕食の約束をして出かけたレストランに着くと、小柄な彼女のそばに、180cmくらいありそうな大柄な男性が、身が縮まるんじゃないかと思うほど恐縮して立っていました。
 それを見た瞬間、なんだかピンときました。ああ、結婚するんだなと。それが、いとこの旦那さんになる人だということが、なぜか私には直観的に分かったのです。
 「お母さんよりも先に千春ちゃんに紹介するのよ」
 と、彼女はいたずらっぽく笑っていました。

花束の三つ目の行先は・・・・・・!?

 私にも娘がおりますがまだ幼く、留袖での結婚式への出席なんて、もっとずっと先だと思っていましたので、式に着ていく留袖も持っておりませんでした。ただ、大切ないとこのためにちゃんとした格好をしていかねば……と思い、レンタルを利用することにしました。
 私は、ちょっと潔癖症なところがあるのか、古着屋やレンタル衣装はあまり利用しない方なのですが、「和匠」さんでは、徹底した品質管理をされているとのことで、着物も小物のセットも非常に綺麗な状態でお借りすることができました。
 主人にはモーニングを借りて、式場には手ぶらで行くことにしました。荷物が少ない方が、いとこに何かあったとき、さっと手伝ってあげられるかとも思いました。
 実際に身に着けてみると、レンタルだということは全く気にならず、柄も素敵でした。帯締めを締めていただくと気持ちも引き締まりました。

 式では歌ありコントありと、とても楽しくいいお式でした。ただ両親への花束贈呈の際、ブートニアは一つなのに、花束は三つ用意されていました。
 不思議に思っていたところ、彼女は手紙を読みはじめました。
 『お母さん、今まで大事に私を育ててくれてありがとう……』
 感動的な手紙を読み終わり、花束贈呈が終わります。叔母さんも向うのご両親も感涙にむせんでおられ、私ももらい泣きしてしまいました。
 すると、急に周囲が明るくなりました。どうしたんだろうと見回すと、なんと私にスポットライトが当たっています。少し混乱状態の私に、いとこがまっすぐに近づいてきました。
 「そして……私にはもうひとりお母さんがいます。寂しいとき、悲しいとき、不安なとき、いつもそばにいてくれた人です。年の離れたいとこなんて、遊んだってつまらないかもしれないのに、いつでも千春ちゃんは優しかった。お母さんを恋しがって泣いている私を笑顔にしてくれるのも千春ちゃんでした。友達と出かけたいのを我慢して、私とお留守番をしてくれたこともありました。私が上手に箸を使えるもの、千春ちゃんが一緒に練習してくれたからです。」
 彼女は前まで来ると満面の笑みで言いました。
 「今まで、ありがとう」。
 私は涙で、ただ何度も無言でうなずくことしかできず、花束を受け取りました。
 不安定な思春期を彼女の無邪気さと笑顔で支えてもらっていたのは私の方かも知れないのに……。

 彼がいるから、もう大丈夫だよね。身体に気をつけて、無理をせず、いろんなことに頑張って、温かな家庭を築いてほしいです。こんな月並みな言葉しかいえないけれど、これまでも、これからも幸せを祈っています。
 「結婚、おめでとう」。

留袖レンタル物語の目次(全47回)